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令和3年度税制改正大綱を独断と偏見の塊で書き出しました


 2020年12月10日に自由民主党のサイトで公開されました。

 12月10日あたりが通常なので、5年連続でイレギュラーなしでした。
 令和3年度 税制改正大綱
 原文はPDFで131ページです。

 この大綱はほぼ確定の内容であると言えますが、あくまでも現時点における改正見込みであって現時点においては確定していないものもありますのでご注意ください。
 実際に改正された内容は財務省のwebにまとまっていますのでご参照ください。
 各年度別の税制改正の内容


 このblogでは私の対応する個別相談で特に関わりそうな内容のみ、独断と偏見で抜粋します。

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第一【令和3年度税制改正の基本的考え方】

・引き続き(中略)所得再分配機能回復の観点からの個人所得課税の検討を進める p2
・企業年金・個人年金等に関する税制上の取扱いについて、働き方によって有利・不利が生じない公平な税制の構築に取り組む p2


 ほんま、高所得者の狙い撃ち+どんどん複雑化が進んでいます。これ以上はやめてほしいですし、いつの日か所得控除という税率の高い人に影響額の多い仕組みではなく、その人の置かれている状況や家族構成などで税額控除が入ったり、子どもがいるだけでものすごく税額が少なくなるような仕組みが導入されてほしいなーと個人的に感じている次第です。(私自身の子どもが対象とならない将来でも全然問題なしです)


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1.ウィズコロナ・ポストコロナの経済再生

(6)住宅ローン控除等
 ・年末残高の1%を控除する仕組みについて、1%を上限に支払利息額を考慮して控除額を設定するなど、控除額や控除率のあり方を令和4年度税制改正において見直すものとする p7


2.デジタル社会の実現

(2)納税環境のデジタル化
 ①税務関係書類における押印義務の見直し p9


4.中小企業の支援・地方創生

(4)固定資産税等
 ・住宅や土地の流動化を促進し、不動産の取引の活性化や有効活用を図るため、住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の税率の特例措置等の適用期限を延長する p14


5.経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し

(1)経済社会の構造変化を踏まえた個人所得課税のあり方
 ①個人所得課税における諸控除の見直し
 ・働き方の多様化を含む経済社会の構造変化への対応や所得再分配機能の回復の観点から、各種控除のあり方を検討する p15
 ③国や地方自治体の実施する子育てに係る助成等の非課税措置 p16

(2)私的年金等に関する公平な税制のあり方
 ・働き方によって税制上の取扱いに大きな違いが生じないような姿
 ・例えば従業員それぞれに私的年金等を管理する個人退職年金勘定を設けるといった議論がある p17

(3)相続税・贈与税のあり方
 ①教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し p18
 ②資産移転の時期の選択に中立的な相続税・贈与税に向けた検討
 ・諸外国では、一定期間の贈与や相続を累積して課税すること等により、資産の移転のタイミング等にかかわらず、税負担が一定となり、同時に意図的な税負担の回避も防止されるような工夫が講じられている(中略)現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど、格差の固定化の防止等に留意しつつ、資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める p18


7.円滑・適正な納税のための環境整備

(3)退職所得課税の適正化 p22


 これまでに比べて「基本的考え方」での解説が手厚くなっているように感じました。はっきりと方針が決まっていて以降の文章で解説があるものと、検討する・議論がある・検討を進めるなど今後の見通しが書かれているものがあり、しっかりと読み込みが必要です。


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第二【令和3年度税制改正の具体的内容】


【個人所得課税】

■1 住宅・土地税制 p23~

[拡充等]住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除


 現状の住宅ローン控除は「居住の用に供した年」が令和3(2021)年12月31日までで、消費税10%を原因として+3年(計13年)があるのは令和元(2019)年10月1日から令和2(2020)年12月31日まででした。
 これが令和3(2021)年1月1日から令和4(2022)年12月31日までも適用対象となります。

 また、これまでは床面積50㎡以上が対象物件の条件でしたが、40㎡以上50㎡未満も対象になります。ただし、合計所得金額が1000万円以下の年のみが対象です。


■3 租税特別措置等 p33~

[延長・拡充等]医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)措置を講じたうえで5年延長 p33


 利用者が多くないように思います…。


■4 その他 p34~

(3)退職所得課税の適正化 p35


 p20-21とも重複する内容です。法人役員等以外でも勤続5年以下での退職金に対して所得計算で1/2は適用除外になりますが、退職所得控除を除いた額が300万円までは除外しないということです。多くのいわゆる普通の人には何も影響はありません。


 その他、(10)健康保険における傷病手当金など、(13)児童扶養手当、(14)障害基礎年金について法令改正がありますが、引き続き「所得税・個人住民税を課さない」と記述があります。このあたり当たり前のことですけれど、法律はしっかり記載が必要なことがよくわかります。


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【資産課税】

■2 直系尊属から住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置等 p41~


 令和3年4月1日から12月31日の非課税限度額を令和2年4月1日から令和3年3月31日の額と同じ額に引き上げるということです。2021年内の短期延長です。現状は一旦そこで終了ですから次回に延長・拡充になるのだと感じます。



■3 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 p42~


 p18の内容が具体的に書かれています。例えば教育資金で贈与者が死亡した場合、受贈者が在学していない・23歳未満などであれば残額が相続財産になるということです。その他にも注意点がありますが、個人的に関わる機会が少ない(ほぼない)ので省略します(すみません


■5 租税特別措置等 p44~

[延長・拡充等]登録免許税
(5)土地の売買による所有権の移転登記等に対する軽減措置を2年延長 p45

[延長・拡充等]不動産取得税
(31)土地の取得に係る課税標準1/2の特例措置を3年延長 p52
(31)住宅および土地の取得に係る標準税率3%の特例措置を3年延長 p5


 これはFP資格を取得するために学ぶ「不動産」でテキストに必ず出てくる項目です。延長確認、大事です。


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【検討事項】 p129~

■1 年金課税

 私の最大の関心はここなのですけれど、昨年とまったく同じ文章です。昨年は「”諸外国の例”を踏まえつつ」の追加があり、一昨年には「投資」という言葉の追加がありましたが、これで7年間ほぼ同じです。


■2 デリバティブを含む金融所得課税の更なる一体化

 昨年から追加されているのが「時価評価課税の有効性や課題を始めとして」「関係者の理解を得つつ、早期に」です。


■4 相続等に係る不動産投機の登録免許税のあり方

 新規項目です。令和4年度税制改正で必要な措置を検討すると書かれています。


■7 帳簿等の税務関係書類の電子化を推進

 p15にも関連する内容として「記帳水準の向上等」があります。
 ・小規模事業者の半数以上が帳簿を手書きで作成
 ・個人事業者の場合、正規の簿記の原則に従った記帳を行っている者は約3割にとどまっているのが現状
 これ…ほんまですか…。もう令和、2020年代ですよ…。


■8 税理士制度

 「多様な人材の確保や、国民・納税者の税理士に対する信頼の向上を図る観点も踏まえつつ、税理士法の改正を視野に入れて」とあります。
 独占業務のある税理士さん、何が変わってくることになるのでしょうか。


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 この記事は私がFP3級資格取得講座を受け持っていることが継続の理由です。こうしてまとめた記事が後々自分の助けになるんです。
 税制改正大綱のPDFファイルを開いて最初に目を通すのが最終「検討事項」です。自己満足記事、自分の記録用記事とも呼べます。


 最後に相談とは関係のない件を。
 p93「ビールに係る酒税の税率の特例措置の適用期限を2年延長する」とありました。2026年10月まで3年ごと段階的にビール・発泡酒・第3のビールの税率が1つにまとめられる話かとビール党として思ってしまったのですが、違いました。
 租税特別措置法 第87条の4 ビールに係る酒税の税率の特例
 いわゆる地ビールの関係なのですね。ついつい目に入ったので取り上げておきました。

 
 なお、令和2年度の税制大綱を取り上げたblogはこちらです。
 令和2年度税制改正大綱を独断と偏見の塊で書き出しました。

 長文を読んでくださり、ありがとうございました。



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